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筋電メディカル徒然日記

2022年12月16日

徒然日記 99
75歳になる前に知っておけば!

親友に聞いた話です。
彼は、2番目のお母さんの子で、1番目のお母さんの間に何人か兄弟がいました。その親友と私は、小学校1年に同じ学校で出会い、高校まで一緒に過ごしたのです。出会った時から数えると、もう70年も関係が続いています。彼は、男性です。その小学校は、高校までの男子校だったからです。大学は、各々違いましたが趣味が同じでアルバイト先も祝祭日も夏休みまで、ほとんど行動を共にしてきました。大学を卒業して就職した頃だったでしょうか、ベテランの会社員になってからだった頃でしょうか、彼は、私にこう呟きました。
 
「お前は、うちの事情を知っていると思うから言うけどな、歳の離れた兄貴たちが何人もいる。みんな身体が弱くてなぁ!早死にするんだよ、でなっ、俺もそうじゃないかと思っているんだ」
「なにが?」私が、野暮な訊き方をすると「早死にだよ、俺も早死にするかも知れん。で、考えたんだが50歳になったら退職をして、好き勝手に遊んで生きようと思うんだ!」
 
先日、彼が運転する車内で、75歳になると毎月の後期高齢者の健康保険料の高額さの話題になった。結局、1番目の母の子供たち兄弟は早死にして、遺産の全てが彼のものになった。彼は、相続した土地二カ所にマンションを建て、悠々自適な暮らしを送っている。2番目のお母さんが、丈夫な子を産んでくれたわけで、早死は杞憂に過ぎなかった。いい暮らしぶりで、50歳から好きなことをしている。彼の運転する車の中で、急に彼は話しだした。
 
「ひでぇよな!75歳になると若者の保険料の負担を軽減するために、お前ら老人同士で保険料を出し合えってか、俺なんか後期高齢者保険料を毎月7万円以上払っているんだぜ、持っている建物だって年月が経てば古くなるし、大型マンションと違うから、管理料や修繕費は家賃と込み、やれボイラーが壊れたとか水漏れがするとか出る金と入る金と行って来いみたいなものだ!これまでに多額の保険料を払い続けたあげくに、これだ!国民年金だってわずかだろ?そんな老人まで、後期高齢者の保険料を上げるなんて、老人は、75歳まで生きたんだからヨシとしろと言われているようなものだ!」
 
運転が、荒くなった!アクセルを踏み続ける、高速道路だから良いものの!確かに、彼の言い分は的を射ている。私など出版社勤めだから、土日祭日も無かった!正月休みも五月の連休も無かった!きっと家人は、なぜこんな人と結婚したか?いつも後悔していたに違いない。
ちょっと待ってくれよ、退職したら、今まで出来なかったこと、旅に行ったり、美味しいメシを喰いに行ったり、してやるからさ!そんな甘い考えを持っていた。誰だ?老人は貯め込んでいるから死ぬ前に全ての金を吐き出させろと思った奴は?ほんの一部金持ちは、居るやもしれんがな。ニュースで出る京都だって若者ばかりで、老人なんかほとんどいねぇじゃねぇか?それに軍事の増税?人口が減るぞ!
 

高松市菊池寛記念館名誉館長
文藝春秋社友
菊池 夏樹