TSUREZURE

筋電メディカル徒然日記

2021年05月14日

徒然日記 18
コロナ禍の筋肉被害

今年も5月の連休が、東京や大阪、そして大都市のベッドタウンと呼ばれる近県の人たちには、無いも等しかったでしょうね。東京では埼玉県や千葉県、そして神奈川県から通勤している人達、大阪ならば京都や神戸。大都市周辺に住むと、今回のようなコロナ騒ぎに巻き込まれてしまう。
テレビのニュースは、大阪は、1000人を超える感染者が出て連続何日目だとか、東京は、この何日間で連続800人を超えたとか言っていますが、周辺の県は100人台だったりしています。
 
もちろん、コロナの特別病床や大病院の数が違うでしょうから、満床の恐れは大都市と同じなのでしょう!ですが、ベッドタウンとして隣県を考えると、ちょっと矛盾を感じますね。大都市といっても、多くの人たちが会社と隣県にあるお宅と行ったり来たりしているわけで、住家や人数に変わりはないのですから!税金だって、企業からの税金は、大都市が多いのはわかりますが、住民税や消費税などは、結構隣県も多いような気がします。大都市は裕福だけど隣県はそうでもないから、休業の要請のやり方を考えないといけないともテレビでは言っていましたけれど。
 
連休前、4月25日から5月11日の約2週間の緊急宣言が出されるとわかった頃、東京から大阪に出張した人がいました。「乗り物は、どうだった?」と聞くと「空いていた!」との答えが返ってきました。大阪梅田の夜もがらがらだったそうです。私は、ほっとしました!こんな時、アホじゃ無い限り自粛するのは当たり前ですからね。コロナで亡くなるのは、溺れて死ぬのと同じ苦しみだと、以前聞いたことがありますから、我慢しなきゃ!都知事なんて「食料品などの買い物も3日おきぐらいにしてくれ!」と、言っていたくらいです。
 
5月の連休や正月休みなど、あって当たり前と思っている方にとっては、あの緊急事態宣言は辛かったでしょうね。しかし、私は昔、文藝の編集者をしていました。『オール讀物』という月刊文藝雑誌の編集部です。週刊誌より月刊誌のほうが楽そうに見えますが、週刊誌は合併号を作って、編集者は休暇を取れます。月刊誌は、年に12冊しか出ませんから、合併号なんか出せません!毎月、ちょうど月末から月初めの11日くらいまでが、超忙しい時期にあたりました。印刷所は暦通りの出勤ですから、その間を寝ずに頑張らねばならないのです。作家から原稿をいただき、校閲や校正をします。自分の担当する小説の内容を16字2行でまとめ上げ、目次のタイトルの脇に載せる原稿も書きます。FAXの無い時代でしたから、著者の家に何度も往復したり、挿絵画家が描いた画をいただきに行ったりしなければなりません。連休なんか“夢の夢”でした。
 
ですから、もともと5月の連休に期待もありませんでした。が、楽しそうに行楽地を目指して行く親子連れを見るのだけは、辛いものがありました。私と逆方向に行くのですから。
 
今回、楽しむ連休を失われた皆さま、これからもこんなことが間々あるやもわかりません!ただ、家籠りで気をつけなければならないことがあります!何かで入院されたことのある方は、お気づきになるでしょう!そう、老いも若きも入院すると1週間で筋肉が落ちてしまいます。特に、不要不急の外出ができない今、筋肉に負荷をかけて鍛えられないのです。

高松市菊池寛記念館名誉館長
文藝春秋社友
菊池 夏樹