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筋電メディカル徒然日記

2022年11月04日

徒然日記 93
ジジババ

漢字で書けば爺と婆である。が、題名にこれを付けると非難されそうなのでカタカナにした。と言って何が変わるというものでもない。もうひとつ、いつも書き物をしていて困るのだが、「ジジババ」だの「男女」だの先に男性を書くのは、女性蔑視ではないか?ババジジでも女男でも良いのでは?悩みながら、昔ながらの風習だし、熟語になっているし、パソコンでも男女は出ても女男では直ぐに出ないし、と思ったりするのです。でもまた、便利だから使っていると考えるのも差別的考えだと思って、また、悩む!
 
よく考えれば、もちろん逆の場合もあるのだが、先にこの世から逝く運命は大体男なのだから先に書く、これなら良かろうと思うようにしているのです!女性に訊けば、男性に大いに不満はあるかも知れませんが、世は平等にしてくれない。仏教は、生死の哲学であるし、キリスト教もユダヤ教も「生」と「死」を考える哲学的部分がありますよ。それほどまでに人間にとって「生」と「死」は、重要なのです。永い間の平均寿命を考えた時、女性に有利なように思えるです。ただ、その人にこの世が適していればの話ですがね。
 
婆と爺、爺と婆、どちらでもいいんだけどさ、ここで爺さんが山に柴を刈りに、婆さんが川に洗濯しに行く話を書こうとしている訳ではないのです。私は、70歳半ばを過ぎました。周りに集まる人たちの多くは、ほとんどがジジババなのです。
 
最近、もと勤めていた出版社の若い人達からメールでお茶に誘われました。用件があったわけでもなく、お茶を誘ってもらえる喜びは、老若を問わず嬉しいものですが、この歳になると全く無いと思っていた若い人からお誘いを受けるのは、殊の外嬉しいものです。
 
先日も、よく行く喫茶店に入り定席が空いていたので、そこに座りました。横に3席あるのですが、真ん中の席は誰もいません!ひとつとんだ席に爺にとっては、若い女性がパソコンを開き、スマホを耳に当て何か話していました。その間は、2メートルもありませんから、ほとんど壊れてしまっている私の耳にも所々の内容が聞こえてきます。どうも就活らしいのですね。電話を切ったとき、目が合ってしまいました。その時、彼女は私に向かって「就活です!」と言います。彼女の帰り際に、私は後ろからから「ガンバッテ!」と声を掛けました。彼女は振り向き「ガンバリま~す!」と言いました!
今、2度目に会いましたが、マスクをしているので直ぐにはわかりません!マスターに訊くと、やはり彼女でした。就活成功おめでとう!と言うと「やはりあの時の方ですね!幸運をいただきました~ぁ!」と言ってくれました。それだけでも嬉しいものです。
 

高松市菊池寛記念館名誉館長
文藝春秋社友
菊池 夏樹