2023年03月03日
徒然日記 110
諸行無常
立派過ぎる題をつけてしまった!知ったかぶりをして書いてしまえば「全ての行いは、常では無い」ということになる。そのままじゃないか?と、言われても困る。広辞苑だって似たようなことが書いてある。しかし、2860頁もある岩波書店の大辞典であるから、もうすこし長い。
この言葉、仏教の基本思想らしい。三法印の一とある。三法印とは、諸行無常と、諸法無我、涅槃寂静をいうらしい。諸法無我とは、どんな存在も永遠不変では無いということか!じゃあ涅槃寂静とは、煩悩を断ち切った悟りの境地は、安らかな世界とでもいうのかも知れないが、そんな難しい、ややこしい哲学的な考えを書くつもりでこの題をつけたわけでもない。ただ、私の亡くなった母がやたらに平家物語のこの一節が好きだったらしく、時々呟いていたので、幼子だった私も意味もわからずに覚えてしまったのだ。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあら
はす。驕れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、
ひとへに風の前の塵に同じ。
祇園精舎の鐘の音には、この世のすべてがいつも変化していくものだという響きがあるよね。娑羅双樹の花の色は、勢いが盛んな者も必ず衰えるものだとの道理をあらわしているよ。世の中で得意になっている者も、そのまま栄え続けることなんかはなく、春の夜の夢のようなものだもの。勢い盛んな激しい者も、結局、滅び去って、それはまるで一陣の風に吹き飛ばされる塵のようでもあるし!
現代に訳せば、こんなところだろうか?この諸行無常=この世の全ては、いつも変化するという仏教的例えが、私の母が好きだったのだろう。
私も若いころは、自分の変化に気がつかなかった。気づく暇もなかったのかもしれないが、年を取ると、毎日歯を磨いたり、顔を洗ったりしている時に時々目の前にある鏡を見なければならず、白髪+禿が一段と進んだなぁとか、顔中皺だらけになったなぁとか、一番嫌だった変化は、手の甲の皺に気付いた時だった。
老眼、緑内障の疑い、高血圧症、花粉症、逆流性食道炎、若者と横断歩道で競争を試みるもなかなか勝てない足の運び、出たお腹を引っ込めたくても引っ込まないこと、百均で何を買うために来たかを忘れる。
まだ自分の名前も言えるし、自分の息子の名前や顔もわかるし、息子の誕生日も覚えているが、認知症になったらどうなるだろうか?自分は、楽かも知れない!それで良いんだと肯定しなければいけないだろう!まぁ、出来るだけそんなことにならないように、ドラムの練習や森谷敏夫先生の「筋電メディカルEMS」を使って、少しでも、筋肉を刺激し脳を活性して元気な老人を続けよっと!