TSUREZURE

筋電メディカル徒然日記

2022年03月25日

徒然日記 62
私見「文献言語解釈」
第3話 サルコペニア

私と話す仲間は、老人ばかりになってしまった。それは、私が後期高齢者になってしまったからだと思う。ある意味仕方がない。しかし、その仲間はやたらに多い。
 
私は、アマチュアバンドに所属していて、そのドラムを担当している。このバンドは、20年前に作られたバンドで、人も入れ替わりプロパーが1人いるだけになってしまった。「ドラムがやめたので来ないか?」7年前に私を誘ったのが、18歳の時、一緒にバンドを組んだギターだった。同級生である。ちょうどそのころ私は、先生について1からドラムを教えてもらっていた。
 
今、そのバンドは私と友人76歳同士2人と、後は女性で歳を知らないが、平均年齢は73歳くらいか!月に一度音合わせをする仲間だが、先日友人のギターが、肩が痛いので病院に行ったら骨が折れていたという。いつもギターを肩からぶら下げて弾いているから、骨が重みに耐えかねたのだろうか!
高齢バンドには、アクシデントが沢山ある。ギターやベースの連中は、時々“ばね指”になったと言っている。手の指が固まって暫く動かなくなるらしい。
 
私は、1人で週2度スタジオを借りてドラムの自己練習をしている。スタジオに入る前に地下鉄駅の上にあるコーヒー店に寄る。そこには、老人仲間が集まっている。いつしか、私の来る日が集まる日となった。競馬の話、釣りの話、食い物屋の話、いつも同じ話。1人は80歳で、私は“おとうさん”と呼んでいる。おとうさんは、満身創痍で老人特有の病気の巣窟である。糖尿が悪化、腎臓も悪い、いつ透析になるかわからないとお医者様から言われたらしい。血管が細いので、突然の対応のために腕に血管からチューブを引いた。おとうさんの家から店まで歩いて10分くらいらしいが、周りの少し若い老人たちが「ひと駅なんだからバスに乗るなよ、歩けよ」と言っても頑として皆の言うことをきかない。
 
赤坂のオフィスの近くに、私が好んで通っている喫茶店がある。マスターは、60を過ぎたばかり、しかし趣味のテニスが高じたのか、膝を悪くした。立ち仕事だから、とても痛いらしい。私と挨拶をするくらいのお客さんに時々出会う。最近杖を持つようになった。軽い脳溢血になって歩くのがやっとだと言う。私の住むマンションにも退職した老人仲間がいるが、一生懸命ジムに通っている。社会人野球の選手だったというその人は、検査で頭の血管に2カ所、瘤が見つかったと言った。脳卒中の予備群である。そういえば、18歳の頃にバンドを組んでいたキーボードも脳卒中になり、随分会っていない。
 
さて、サルコペニアだが、英語ではSarcopeniaと書く。森谷敏夫教授の著書『京大の筋肉』1と2とで調べてみた。それによると「加齢によって筋肉量が減少することをいう」と書かれている。加齢が進むと、食が細るから、思うように栄養を摂れなくなり、筋肉がなくなってしまう。こうした症状を「加齢性筋肉減少症」、サルコペニアというのだそうだ。
 
高齢になっても筋肉をちゃんとつけないといけないんだろうけど、ねぇ!
そこで登場するのが、「筋電メディカルEMS」なのだろう。

高松市菊池寛記念館名誉館長
文藝春秋社友
菊池 夏樹